2017年度 理事長所信 一般社団法人明石青年会議所 第58代理事長 夏山 政彦

はじめに 戦後70年を歩む中で、日本は飛躍的に経済発展を遂げ、私たちの生活環境や価値観は時代とともに大きく変化してきました。物質的な豊かさと、科学技術の進歩により、物や情報が何時でも何処でも容易に手に入る便利な生活を得ることができました。一方で、人 間関係は希薄になり、社会情勢に対しても無関心となり、無機質で利己的な社会になりつつあるのではないでしょうか。そのような社会の弊害は、現在様々なかたちで顕在化して います。

また、自然環境も変化しています。近年では、気候変動に伴う水害や土砂災害など、大規模な自然災害が多く発生し、私たちの生活における不安感も増大しています。さらには、 東日本大震災からまだ間もない昨年4月14日に発生した熊本地震では、一連の地震活動 で震度7が2回、震度6が3回も観測されるという、観測史上、例をみない地震となり甚 大な被害が生じました。

日本が戦後復興に向けて躍進した高度経済成長期、バブル景気に沸いた安定成長期、失 われた20年と言われる経済低迷期。先人は、目まぐるしく変化する時代を懸命に駆け抜 けてきました。いつの時代も常に前を向き、明るい豊かな社会を目指して尽力してきまし た。そのようにして築かれた「今」に、私たちが生きていることに敬意と感謝を忘れては いけません。そうであるからこそ、今もなお変化し続ける現代を生きる私たちもまた、地 域の未来のために、次代を担う子供たちのために、未来を思い描き、懸命に行動していか なくてはなりません。

明石市は、中心市街地活性化基本計画が進行する中、平成30年に中核市への移行を目 指しており、さらに平成31年には、明石市制施行100周年、明石城築城400周年を 迎えようとしています。社会的、歴史的な節目を目前に控える明石に住み暮らす私たちは、 まちを見つめなおし、より活性化させ、発展させていく好機を迎えています。この機会に、 市民一人ひとりが地域への帰属意識を高め、当事者意識をもって、人と地域に積極的に関わりを持っていくことが必要です。

明石青年会議所は、市民に先駆け、地域のリーダーとして、明石の未来のために、現在 を懸命に取り組んでいきます。

充実した会議

これまで明石青年会議所は、まちのため、子供たちのため、市民のために様々な事業を 行ってきました。会員が情熱を注ぎ、まちのために率先して行動するという志が伴う事業 はどれも大変尊いものです。そうした志が伴う事業を支えるのは、そこに至るまでに積み 重ねられる充実した会議です。事業は実施に至るまでに、各会議を幾度となく行い、それ ぞれの会議では様々な角度から議論を積み重ねます。そのような意味において、事業は明 石青年会議所の英知の結集であるといっても過言ではありません。この過程こそ、明石青 年会議所が、まちや市民から信頼される団体である所以です。

そして、これらの会議をより有意義に行うためには、会議資料が充実していることが大 切です。もちろん、資料だけで事業のすべては計れませんが、資料は議論を重ねた証であ り、内容が成熟したことを示してくれ、その事業の実行の是非を問う採決を行う上で重要 な指標となります。限られた時間の中で会議を有意義なものにするために、新たな会議を 開き、様々な資料を取りまとめ、客観的に細かなチェックを行っていく必要があります。 資料が整っていれば、会議において、事業の本質を捉えた議論を深めることができます。

会議は青年会議所活動の基盤です。より良い事業を行うために、適正な会運営を行い、 建設的な議論を交わすことができる、充実した会議をしましょう。

魅力溢れる人間

青年会議所は「まちづくり」と「ひとづくり」という、ふたつの側面があります。多角的な「まちづくり」を行うためには、より多くの「ひと」が必要であり、またより多くの 「ひと」は、より多角的な「まちづくり」を通して育まれます。そのふたつが、相乗的な 関係にあることが組織として望ましい状態です。明石青年会議所が地域のリーダーとして、 明石のまちのためにより幅広く活動していくためには、より多くの仲間の存在が力となり ます。

明石の社会的、歴史的な節目に向けて、明石青年会議所は100名を超える団体を目指 します。そうした多くの仲間を募るためには、私たち明石青年会議所メンバーの一人ひと りが魅力溢れる人間でなくてはなりません。仲間を募るとき、私たちは相手に青年会議所 の魅力を伝えると同時に、自らの魅力も感じとってもらわなければなりません。伝える者 自身が積極的で活気に満ち、社会性を備えた魅力溢れる人間ならば、相手にも青年会議所の魅力は伝わるはずです。青年会議所には、多くの学びを得る機会、多くの人と関わる機 会があり、その機会を自らの経験に換えることで会員は自らの魅力を引き出すことができ ます。

私たち自らが青年会議所活動を通じて自己研鑚を重ね、友情を深めながら、さらに魅力 溢れる人間になりましょう。

青年会議所の運動・活動

青年会議所には、私たち明石青年会議所のような地域ごとの組織のほかに、各地域の青年会議所からの出向者によって成り立つ、日本青年会議所及び、全国9つの各地区協議会、 全国47都道府県の各ブロック協議会といった各単位の組織が存在します。それらの各組 織は毎年様々な運動を展開しており、それを広く伝えるために様々な大会・事業を開催しています。どの大会も大きな学びと経験を得ることができる大変貴重な機会です。

「井の中の蛙大海を知らず」という言葉がありますが、私たちは明石のまちのために活 動していく上で、明石という井の中だけに留まるのではなく、明石を取り巻く社会全体という大海にも目を向け、より幅広い視野で明石のまちづくりを考えていかなくてはなりま せん。そのためには、各大会や事業に積極的に参加し、広域的な青年会議所活動に携わる ことで、新たな価値観を学び、社会の潮流を感じることが必要です。そうすることで、私たちのまち明石を客観的に見ることができ、幅広い視野で得た学びを、明石青年会議所の 運動に活かすことができます。そこで、私たちは運動の意義や目的を共有し、互いに機会 の提供を図っていく必要があります。また、明石青年会議所の運動を市民に広く伝えるた めに、日ごろの活動を効果的に発信していかなければなりません。私たちが行う運動・活動の意義や目的を、マスコミと連携した効果的な広報によって、より深く広く伝えていく ことが必要です。

どんなに素晴らしい意義や目的をもって活動していても、それが伝わらなければ効果は ありません。私たちの運動・活動をより多くの人々に伝えていきましょう。

心の育成

明るい未来を思い描く上で、次代を担う子供たちの育成は必要不可欠です。私たちが子 供の頃と、現代の子供たちでは生活環境は様変わりし、遊び方や友達との付き合い方も変 化しています。現代は、バーチャルな体験が身近にあり、人と人との関係が希薄になりがちな環境で、子供たちが本来、少年期に学ばなければならないことを経験する機会は少な くなってきています。

このような現代を生きる子供たちに必要なことは、リアルな体験の中で生まれる人間関 係によって、自立心や道徳心、思いやりの心を育んでいく精神的成長です。そのために、子供たちには、溢れる元気と体力を夢に向かって一生懸命に注いで、多くの人と関わりを 持って欲しいと願います。子供たちの純粋な心は、目標に向かってひたむきに全力を尽くすことができ、直ぐ様に人間関係を築くことができるからです。それは少年期にしか経験 できない、かけがえのない時間です。子供たちは、同じ目標に向かって切磋琢磨する中で、 勝った喜びや、負けた悔しさ、そしてそこから生まれる友情など、非常に多くのことを学び、心身ともに成長していきます。その経験は将来、必ず自分自身を支えてくれる財産と なるはずです。

子供たちの精神的成長を図り、より大きな目標に向かって挑戦できるように、青年会議所のスケールメリットを活かして、子供たちの心を育んでいきましょう。

未来の種

明石青年会議所はこの5年間、夏の夜に大蔵海岸で継続的な事業を行ってきました。そ して、市民から認知され、次第に市民の心へ浸透する事業へと成長しました。5年前にま かれたその種は、明石のまちに熱く、優しく、そして強い光を灯し、市民の郷土愛を育んできました。さらに、明石青年会議所に大きな実績と経験を残してくれました。それは、 先輩たちが明石のまちのために、より良いものにしていこうと試行錯誤を重ね、情熱を注いできた成果です。

今年度、私たちは先人の想いと実績を引き継ぎながらも、新たな発想で事業の可能性を模索し、挑んでいきます。明石市の人口はここ数年で右肩上がりに延びており、近く30万人を超える勢いです。また、中心市街地活性化基本計画によって明石市中心部の人口は さらに増加します。元々地域に暮らす人々と、新たに転居してくる人々との混在化が進む中、人と人、地域と人とを密接に結びつける、明石全体を巻き込む新しいコミュニティー を創出しなければなりません。そのためには、地域に暮らす多くの人々が集まり、相互に 交流を深めるとともに、それらの人々が明石というまちの伝統や文化を感じることで地域 に愛着を持ってもらうことが必要です。それによって、元々地域に暮らす人々はさらに地 域や人と関係を強め、新たに転居してきた人々は、地域や人を理解することができ、互いに積極的に関わりを持っていくことができるはずです。

人と人、地域と人の関係を強め、明石のまちをより発展させていくために、明石全体を巻き込む新しいコミュニティーという未来の種をまいていきましょう。

防災・減災の意識

近年、地震や異常気象などの様々な自然災害によって、全国各地域で被害が増加しています。これに対し、明石市はすでに、明石市地域防災計画の策定や、明石市災害ハザード マップの作成など、災害への備えを行っています。また、明石青年会議所も明石市との間で、2015年から、災害時におけるボランティア協定を締結しています。これにより、 災害発生時には明石市と明石青年会議所が連携し、迅速な情報共有と、支援協力を行える体制が整っています。

しかし、現在の気候変動が著しい自然環境や、巨大地震がいつ起こるとも知れない現状に鑑みると、明石における災害への危機管理はさらに重要性が増してきている中、大切なことは、市民一人ひとりの安全に対する意識の在り方です。安全は、自らが何もせずに得 られるものではありません。行政や民間団体の備えに加えて、市民一人ひとりが自分の身は自分で守り、地域の人々と互いに助け合い、自分たちの生活を守っていくという意識を 喚起し、それらを向上させ、共有することが、効果的な防災・減災につながっていきます。

行政や民間団体と連携しながら、防災・減災に関する啓発活動を行い、市民の意識を高 めていきましょう。

むすびに

私たちは、青年会議所活動を通じて、ここでしかできない様々なことを経験し、学ぶこ とができます。その特別な活動を通じて、多くの仲間と深い友情を育むことができます。 しかし、それは自分の周囲にいる多くの人たちの支えがあって得られるものです。40歳 までという限られた期間でしか得られない「なにか」に、自分の周りの家族や従業員の支 えを得ながら、今の時間を投資しているのです。さらに、自分だけでなく活動をともにす る他の会員にも、周囲の多くの人たちの支えが存在しています。私たちは、青年会議所活 動には、常に自分の、また他の会員の会社や家族という多くの人の支えと時間があること を意識し、そうした支えてくれている人たちに感謝し、活動を通じて得た自らの成長を、 社業や家庭に還元し、それらを豊かにする責任があるのです。

その責任を果たすためには、時間を投資して得られる「なにか」を有意義なものにする ことが使命ですが、それは自らが何もせずに得られるものではありません。自らが目的意 識をもち、青年会議所活動に真摯な姿勢で向き合い、真剣に取り組むからこそ、投資する 価値のある有意義な時間になるのです。そうであるからこそ、私たちは責任と覚悟をもって、様々な声に耳を傾け、自分の目で見て確かめ、自分の考えをもって行動しなければな らないのです。そうすることで、あなたは必ず成長できます。

限られた時間のなかで、借り物の時間のなかで、本物の価値を見つけましょう。

基本理念

人と人、地域と人がつながる明石を目指して

基本方針

  1. 責任と覚悟ある行動
  2. 魅力溢れる人材の育成
  3. 組織力の向上

スローガン

  • 克己復礼