理事長所信 一般社団法人明石青年会議所 第59代理事長 﨑野 雄生

自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道は少しもひらけない。道をひらくためには、まず歩まなければならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。(道:松下幸之助より一部抜粋)

はじめに ~利他行の「道」を歩む~
1959年(昭和34年)、先輩たちが愛するこのまちの発展を願い、全国で186番目のLOMとしてこの明石に青年会議所運動のあかりが灯り、本年で59年目を迎えることとなった。翌年は市制100周年、明石城築城400周年、そして明石青年会議所60周年という大きな節目であり、大きく未来へと踏み出す千載一遇の好機を迎える。

「和を以て貴しと為し、忤ふること無きを宗とせよ」(十七条憲法)とあるとおり、「和」とは日本の国柄そのものであり、日本人の根底に根付く共通の精神性である。「和」の国柄とは、それぞれが力を発揮し、調和がとれていること、すなわち個性豊かな考えの集合体の調和を図り、想像を超える力を発揮することである。

「和」の国柄があるからこそ、利他行の「道」がある。

明石のまちをさらに発展させるのは我々青年に与えられた「道」であり、変革の最前線で圧倒的リーダーシップをもってまちを牽引し「明るい豊かな社会」を実現するのは我々明石青年会議所に与えられた「道」なのである。我々が道を切り拓いていくことは、能力、知識を効果的に次世代に伝達することである。すなわち、後進の指導そのものであり、明るい豊かな社会を実現する「利他行」である。

変革の最前線で社会を変えていくのはいつの時代も「JC」である。「JC」は世のため人のために地域の問題に挑み、解決を図り、仕組みづくりにまでつなげる団体なのである。私は40歳までの限られた間こそ、命の時間を使い「JC」をするべき時であると考えている。

利他の精神に満ちた我々の尊い運動は多くの人を幸せにし、我々に自己成長という最高の幸せをもたらすであろう。

私心なく「なぜ」を問い続ける会議をしよう
青年会議所は地域社会の問題をクローズアップし、目的達成に向け多くの計画を練り、多くの意見質問を経て事業に臨む。結果を出す事業を構築するためには、一人ひとりが個性を発揮して豊かな想像力を働かせ、突き詰めて考え抜き、あらゆる問いかけや問題提起を行う。
目的を見失うことなく「何のために」と問い続けよう。メンバー一人ひとりが合目的性を追求することで本質的な議論を行い、事業の価値を高め、大きな運動へと昇華させよう。

妥協なく「どうすれば」と問い続けよう。アイデアとは既存の要素の組み合わせである。一人ひとりが持っている多様な経験や知識を活かし、目的達成のために意見を出し合って調和させていくことで、一人では決して思いつかなかったアイデアが生まれるだろう。

素直で私心なく「なぜ」を問い続けよう。「なぜ」を問い続けることで物事の真因や因果関係をつきとめられる。青年会議所は単年度制であり、社会実験を行う団体である。つまり、行った事業について、いかに組織として検証し次につなげていくかが極めて重要である。

そして、メンバーからの様々な問いかけを組織として解決していく過程で意見の調和を図り、一人では得られない大きな力を生み出そう。

明石青年会議所をブランディングしよう
我々の世のため人のための尊い運動をより価値あるものに高めるには、明石青年会議所のブランディングが必要である。

まずは、設立に至った経緯、強み、魅力、ビジョン、他団体との差異を十分に把握し、それをメンバーの共通認識とする。そして、メンバーと市民が共同体験できる「JCカップU-11明石少年少女サッカー大会」を開催し青年会議所ならではの設えで多くの市民に充実した時間を過ごしていただき、尊い運動の価値を共有していこう。

情報発信においては、ターゲットとPRポイントを明確にし、青年会議所活動に限らずまちそのものの魅力も発信していこう。SNSなどを活用したチャレンジ精神に満ちた広報活動、メディアから情報を求められる存在となるための仕掛け、そして紙媒体を用いた直接的な広報活動など、あらゆるツールを活用した戦略的広報活動を展開しよう。

明石青年会議所が行う運動の価値を高めることは効果的な情報発信につながり、広く効果的な情報発信を行うことは運動そのものの価値を高める。

明石の経済を元気にしよう
経済情勢は「失われた30年」などと言われ、未だにデフレから脱却できていない。経済は、他人任せではなく、青年が自ら立ち上り向き合っていかなくてはならないものである。希望溢れる未来を次世代に引継ぐには、我々青年世代が先頭に立ち経済を発展させていかなくてはならない。世のため人のためまちの未来のために、新しい需要や雇用を生み出して経済を発展させていくため、現状に捉われることのない青年ならではの発想力やチャレンジ精神を持とう。

また、青年会議所の先輩諸氏が培ってきた事業や組織運営には、優れた経営に繋がる要素が多く存在している。何事も自分自身、自社に置き換えて実践することでさらに価値を増す。

自分自身、自社の成長、発展から明石の経済を元気にし、明るい豊かな明石を実現しよう。

主権者意識を持った青少年を育成しよう
日本の教育には、主権者としての自覚と責任を培う政治教育が諸外国と比べ極端に欠けており、投票に行かない政治無関心層を増やす要因ともなった。明石も例外ではなく、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたが、前回の兵庫県知事選挙における明石市の投票率は40%弱と半分以上の市民が地域の未来を担う大切な選挙を放棄している状況であり、主権者意識が高いとは言えない。

市長選挙、市議会議員選挙を控える今こそ、政治に対する無関心を正し、政策リテラシーを高めて青少年の主権者意識を醸成する好機である。「明るい豊かな社会」をつくるため、あらゆることに主体的に関わっていく未来のまちづくりの担い手を育てよう。

原風景をつくりだそう
私たちの住み暮らすこの明石は東西に広がる、美しい景観や豊かな食文化を持つ歴史あるまちである。明石の各地に存在する、市民生活と関係の深い魅力ある場所や出来事などを再発見し、積極的に発信しよう。

また、とりわけ美しい海岸線は古来より多くの歌人・俳人にも詠われてきた。現代では世界に誇る吊り橋明石海峡大橋も加わり、世界一とも言っていいほどの風光明媚な地となった。明石の美しい風景は明石に住まう人びとにとって、深く心に刻まれた思い出を伴ったかけがえのない宝物である。宝物の可能性をより一層引き出し、明石市民の原風景をつくりだそう。そして、さらに多くの市民が愛するまち明石を実現しよう。

防災・減災意識を向上させよう
自然災害大国に住む我々は災害と向き合いながら、自然と共存し調和して生きてきた。自然災害が多く、苦難を共に乗り越えたからこそ、お互いに協力し、助け合う日本人の「和」の精神が育まれたのである。

昨年、我々は、明石のまちに防災・減災意識を育む活動を行った。平時から備えをしっかりと行い、有事の際も互いに助け合う、連帯と協力意識を生み、支援や援助を主体的に行うことのできる、防災・減災への意識が向上された社会を目指そう。そして、共に手を取り合い、安心して暮らすことができる「和」の精神に満ち溢れる明石を実現しよう。

出向という機会を活用しよう
明石の未来のために活動する様々な団体や、公益社団法人日本青年会議所に出向することは自らがその大きな運動の当事者となることができる千載一遇の機会である。

明石の未来のために様々な団体が個性を活かした運動を展開しており、先輩諸氏が携わっている団体も存在している。明石にある諸団体へ出向することは「まちづくり」の可能性を広げるとともに、地域との密な連携に繋がる。さらなるまちの発展のために不可欠なのである。

また、公益社団法人日本青年会議所に出向をすることで、青年会議所のスケールメリットを実感できる。兵庫県はもとより日本全国で同じ志を持って活躍するJAYCEEと出会うことになり、明石青年会議所を客観的に見ることもできるようになる。そして、出向を通じて今までは想像したこともなかった経験や、一生続く良き友との出会いがあり、未知の体験を経て大きく成長した自分と出会える。

一人ひとりが出向で学び得たものは、それを日々の活動で活かすことにより、明石青年会議所にとってかけがえのない宝物となる。

数は力なり
会員拡大は明石青年会議所が創立されてから絶えることなく続けられてきた歴史ある活動である。

近年、明石青年会議所の会員は増加している。先輩諸氏から受け継いだものを大事にしながらも、時代に合わせて変化する柔軟性を持ち、一人でも多くの同志が集うさらに魅力ある明石青年会議所を目指そう。

大きな運動の実現のために会員拡大に全員で取り組もう。そして、多くの青年に唯一無二の青年会議所との出会いを。

結びに
「明るい豊かな社会の実現」には青年会議所が必要であり、青年会議所しか達成できないことがある。青年会議所は唯一無二の存在であり、地域の圧倒的リーダーシップを伴った「ひと」の集合体である。翌年に控える大切な節目を明石のまちが飛躍する機会とし、会員全員で地盤を踏み固めていかなくてはならない。私が尊敬する先輩諸氏は日々の活動を通じて義理人情や礼儀正しさ、正直さ、慎み深さ、思いやりなどを厳しくも優しく教えてくれた。これらの日本人が本来持つ精神性を大切にし、「和」の国柄が織りなす希望あふれる明石をつくっていこうではないか。

時代は青年会議所を求めている。

青年会議所だけが残せる軌跡をこの明石に。

基本理念

ひとの個性が調和する希望あふれるまち明石

基本方針

  1. 変革の最前線で圧倒的リーダーシップを発揮しよう
  2. 義理人情を大切にしよう
  3. 相手の目を見て握手をしよう
  4. 「なぜ」を問い続けよう

スローガン

  • 利他道